イーノとウルフの出会いは2022年の音楽祭・映画祭・インタラクティブ・フェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント、サウス・バイ・サウス・ウエスト(SXSW)にさかのぼる。二人はSXSWにて「アートと気候(Art and Climate)」と題して特別講演を行い、この公演はSXSWの25年間の歴史の中でベスト・トークの一つに選ばれた。
その後、二人はそれぞれロンドンの別々のギャラリーでビジュアル・アートやコンセプチュアル・アートの作品を展示していたときに再会し、音楽的なコラボレーションが生まれた。
また、イーノとウルフは、2024年まで散発的にレコーディングされたこのプロジェクトでのコラボレーションを振り返って、次のように語っている。
==
音楽は感情を喚起するものです。その感情の中には、馴染みのあるものもあれば、そうでないもの、あるいは複数の異なる感情が複雑に混ざり合ったものもあります。他の言語や文化には、そのような感情を表す美しい言葉がたくさんあります。そう、英語にはない言葉です。感情に名前をつけることで、私たちはその感情をより感じやすく、より具体的にすることができます。アートは、私たちがこれまで感じたことのないような感情や、あるいは感情の混ざり合いを引き起こすことができます。このように、アート作品は、ある種のフィーリングの「母」となり、そのフィーリングを見つけ、再体験するための場所になり得るのです。私たちが取り組んだ感情の中には、次のようなものがありました・・・。
Ailyak (ブルガリア語)・・・ゆっくりと、プロセスを楽しむこと
Commuovere (イタリア語)・・・感動すること
Dor (ルーマニア語)・・・あこがれ、帰属意識
Duende (スペイン語)・・・ゾクゾクすること
Fèath (ゲール語)・・・静寂、平和
Gezelligheid (オランダ語)・・・温かい親密さ
Ilinx (フランス語) ・・・遊びによる不思議な興奮
Jijivisha (サンスクリット語)・・・人生を全うすること
Liget (フィリピン語)・・・燃えるようなエネルギー、生命の輝き
Merak (セルビア語)・・・宇宙と一体になること
Meraki (ギリシャ語)・・・何かに没頭すること
Mono no aware (日本語)・・・人生のはかなさに感謝すること
Onsra (ボロ語)・・・愛を失うことを予期すること
Pronoia(ギリシャ語)・・・パラノイアの反対の意
Sisu (フィンランド語)・・・決意、気概
Torschlusspanik (ドイツ語)・・・時間がなくなることへの恐怖
Ya’aburnee (アラビア語)・・・誰かがいない世界で生きたくないということ
==
そして、ブライアン・イーノのジェネレイティヴ・ドキュメンタリー映画『ENO』が日本国内での上映が迫っている。ギャリー・ハストウィット監督による『Eno』は、ブライアン・イーノへの長時間のインタビュー、そして500時間を超える貴重なアーカイブ映像を組み合わせ、アーティストのブレンダン・ドーズと共同開発した自動生成システム「Brain One(ブライアン・イーノのアナグラム)」を導入。観るたびに構成や内容が変化する映画の常識を覆す全く新しい体験を実現した。そんな映画『ENO』がついに日本初上陸を果たす。なお、アジア圏での劇場上映はこれが初となる。
また、映画『ENO』を盛り上げるべく、東急沿線全駅にてポスターが掲出中。
■リリース情報
ビーティー・ウルフ & ブライアン・イーノ『LUMINAL』
2025年7月9日発売
SHM-CD:UCCV-1211 ¥3,410 (tax in)

Beatie Wolfe and Brian Eno LUMINAL
Available to purchase from our US store.トラックリスト:
1. ミルキー・スリープ
2. ホープレスリー・アット・イーズ
3. マイ・ラヴリー・デイズ
4. プレイ・オン
5. Shhh
6. サドンリー
7. ア・セイリング・アンド・ア・ライフボート
8. アンド・リヴ・アゲイン
9. ブレス・マーチ
10. ネヴァー・ワズ・イット・ナウ
11. ホワット・ウィー・アー
12. コンプロマイズド・カウボーイ ★日本盤ボーナス・トラック
ブライアン・イーノ & ビーティー・ウルフ『LATERAL』
2025年7月9日発売
SHM-CD:UCCV-1212 ¥3,410 (tax in)

Brian Eno and Beatie Wolfe LATERAL
Available to purchase from our US store.トラックリスト:
1.ビッグ・エンプティ・カントリー
■映画『ENO』上映情報
<特別プレミア上映>
109シネマズプレミアム新宿
2025年6月21日(土) 14:00~ / 18:00~⇒どちらの回も完売
<東京>
109シネマズプレミアム新宿
2025年7月11日(金)~2025年7月17日(木)
<名古屋>
109シネマズ名古屋
2025年7月12日(土)~2025年7月13日(日)
<大阪>
109シネマズ大阪エキスポシティ
2025年7月12日(土)~2025年7月13日(日)
詳細はこちら⇒https://enofilm.jp/
ヘッダー画像:Photo © Cecily Eno