「こちらはスパークルマミ・ラジオ。ここでは何だって可能。あなたの夢は現実になり、そして幻想もまた現実になる…」デビュー・アルバム『in this body』のオープニング・トラックで、テキサス生まれ、現在はシカゴを拠点とするスパークルマミは、猫が喉を鳴らすように妖しくそう語りかける。グリッサンドする歓声が沸き起こり、サイケデリックでキャラメルのように滑らかな回廊を抜けて、すでに独自の個性を備えた彼女の音世界へと聴き手を誘っていく。

Sparklmami

SPARKLMAMI in this body

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5年の歳月をかけて制作された『in this body』は、知覚、アイデンティティ、そしてノスタルジアを探求した作品である。スパークルマミの多彩な音楽的影響は、驚くほど自然な自信とともに融合している。1970年代のブラジリアン・ジャズ、メキシコのボレロ、ジャズ・ファンク、エクスペリメンタル・ソウル、いずれも即興演奏を根底に持つこれらの要素が、この魅力的なデビュー作に息づいている。今年はアメリカとイギリスで開催されたSXSWにも出演したが、本名アリエラ・グラナドスとしても活動するこのマルチディシプリナリー・アーティストは、いまだ「知る人ぞ知る」存在である。しかし、その才能に気づき始める人々は着実に増えている。

『in this body』は、スパークルマミが自信を深めた末に生まれた作品である一方で、危うく世に出ないところでもあった。メキシコ人の母とインド人の父を持つグラナドスは、12歳の頃にいとこたちとともにユース・バンドで歌っていた。しかし、その後およそ10年間、人前で演奏することから遠ざかり、自らの歌声を再び見つけるまでには長い時間を要した。

スパークルマミ
Sparklmami。写真:ダニエル・デルガド。

2014年、グラナドスはイリノイ大学でアートを学ぶためシカゴへ移り住む。そこで彼女は幼少期の自宅を等身大で再現する作品を制作し、その後はシカゴの音楽シーンで活動するメイクアップ・アーティストとしてキャリアを築いた。創造性に満ちたコミュニティに日々囲まれて暮らす中で、自らも音楽によって表現したいという思いが運命的に呼び覚まされることになったのである。

音楽への情熱を取り戻した彼女は数曲を書き上げ、芸術助成金の獲得にも成功した。その資金によって、実験的なグラフィック・スコアによるパフォーマンスを録音することができ、それがバンドとともに演奏する初めての経験となった。その後まもなく、エグゼクティブ・プロデューサーを務める二人――フランク・オーシャンとの仕事で知られるエディ・バーンズと、ウィリアム・コーデュロイ――とともにスタジオ入りする機会を得る。二人は本作ではそれぞれドラムとベースも担当している。さらにアレックス・サンティリ(パーカッション)、ジョシュ・ジェッセン(キーボード、シンセサイザー)、ケネス・レフトリッジ・ジュニア(サックス)が加わり、このアルバムの演奏陣を構成している。

グラナドスは英語とスペイン語を自在に行き来しながら、幼少期の記憶や自身の内面をたどっていく。歌詞は決して多くを語らない。その代わりに、印象的なヴォーカル・フックやアドリブ、そしてバンド・メンバーによる旋律豊かな即興演奏が、この作品の中心を担っている。

アルバムはテンポと音の質感を巧みに行き来する。「penso en voce」はフローラ・プリムを思わせる優雅さをまとい、くつろいだ空気と恍惚とするような躍動感を同時に感じさせる。「running」は、一度聴けば耳に残るメロディとともに、夢想的なジャズとネオ・ソウルのフィルターを通して、グルーヴと切ないもどかしさを描き出す。“Running miles / Running for a while / Running trying to meet you there / Running when all you do is stare”

(「何マイルも走り/しばらく走り続け/あなたに会おうとして走り/あなたはただ見つめるだけなのに、それでも走る」)一方、「quisiera」は母親へ捧げられた「複雑なラヴレター」であり、深い内省を湛えた楽曲となっている。さらに「vega」と「it was 5am」という短いインタールードが挿入されることで、この印象的なデビュー作にはコラージュのようなミックステープ的感覚が与えられている。

グラナドスは次のように語っている。「このアルバムを制作していた頃、私は過去を悼みながら、多くのことを一人で模索していたの。癒えていない痛みや悲しみを抱えた人は、それを誰かへ受け渡さずにはいられないわ。愛するということは悲しむことであり、悲しむということは愛することなのだから」

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彼女の卓越したヴィジュアル・センスは、本作に伴うアートワークや映像作品にも色濃く表れている。前2作のシングルと同様、『in this body』のジャケットにも、満面の笑みを浮かべ、指を不自然なほど長く伸ばしたグラナドスの姿が写されている。そのポーズは、1900年代のメキシコの家族写真を思わせるものだという。ミュージック・ビデオもまた豊かな想像力に溢れている。「quisiera」のヴィジュアライザーでは、美術大学時代に制作した等身大の家のレプリカが再び登場し、ピンクとグリーンを基調とした小さな情景の中には、「Caution: Wet Tears!(注意:涙で濡れています!)」と書かれたプラスチック製の折り畳み式の警告看板が立てられている。

スパークルマミ
Sparklmami。写真:ダニエル・デルガド。

本稿執筆時点で、グラナドスのファン層はまだ決して大きくはない。Instagramのフォロワーは2万人未満、Spotifyの月間リスナーも20万人に満たない。しかし、最近出演したデビュー・ショーケースは音楽業界関係者の記憶に鮮烈な印象を残し、何よりこのデビュー作は口コミによって急速に評価を広げつつある。筆者は、スパークルマミは今後着実にその存在感を高めていくと予想する。いつの日か、現在アンダーソン・パークやドーチーのファンが「自分は最初から知っていた」と語るように、スパークルマミについても「私はデビュー当時から聴いていた」と誇らしく振り返るファンが数多く現れることになるだろう。


ティナ・エドワーズは、音楽ジャーナリスト、DJ、放送パーソナリティ。キュレーション・プラットフォーム「re:sonate」と「Queer Jazz」の共同創設者であり、自身のBandcampクラブ「Jazz-ish Jazz Club」のホストも務めている。また、Bandcamp Daily、Downbeat、Monocleなど、数々のメディアに記事を寄稿している。


ヘッダー画像:Sparklmami。写真:Daniel Delgado。