ジャズ界の発掘王の異名をとるプロデューサーのゼヴ・フェルドマンが監修に携わるレゾナンス・レコード。これまで数多くのジャズの巨匠の未発表音源を発掘し世に出してきた同レーベルだが、今回新たにビル・エヴァンスとラサーン・ローランド・カークの未発表ライヴ・アルバムが12月5日(金)にリリースされる。

ビル・エヴァンス
『ポートレイツ・アット・ザ・ペントハウス:ライヴ・イン・シアトル』

まずは、人気ピアニスト、ビル・エヴァンスの『ポートレイツ・アット・ザ・ペントハウス:ライヴ・イン・シアトル』。これまで公式録音のなかったベーシストのエディ・ゴメスとドラマーのジョー・ハントとのレアなトリオによる1966年5月、シアトルのジャズ・クラブにおけるライヴ録音。ラジオDJのジム・ウィルケがKING-FMの自身の番組用に録音したもので、今回オリジナル・テープからの初めての公式リリースとなる。ブックレットには、貴重な写真に加えて、エヴァンス研究家マーク・マイヤーズによる新ライナーノーツや、トリオのメンバーだったエディ・ゴメス、ジョー・ハント、そしてビル・エヴァンスに多大な影響を受けたピアニストのボブ・ジェームスのインタヴューなどが収録される(日本盤CDは日本語訳ブックレット付)。

Photo : © Jean-Pierre Leloir

続いては、今年生誕90周年を迎えた孤高のマルチ・リード奏者、ラサーン・ローランド・カークの『ヴァイブレーションズ・イン・ザ・ヴィレッジ:ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ゲイト』。1963年11月、ニューヨーク、ヴィレッジ・ゲイトにおける貴重なライヴ録音で、もともとカークのドキュメンタリー映画用に録音されたものだったが、映画が完成する前に製作者が他界し、テープはその後60年以上もの間、録音エンジニアもとに保管されていたという幻の音源だ。ブックレットには、貴重な写真に加えて、新ライナーノーツや、ライヴに飛び入り参加したピアニストのジェーン・ゲッツ、ローランド・カークを尊敬するサックス奏者ジェームス・カーターとチコ・フリーマン、トロンボーン奏者のスティーヴ・トゥーレなどのインタヴューが収録される(日本盤CDは日本語訳ブックレット付)。

ラサーン・ローランド・カーク
『ヴァイブレーションズ・イン・ザ・ヴィレッジ:ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ゲイト』

ラサーン・ローランド・カークは、もう1タイトル、1967年8月にシアトルのペントハウス・ジャズ・クラブでのライヴ録音『Seek & Listen: Live at the Penthouse』も同時リリースされる。こちらはビル・エヴァンス盤同様、現地のFM放送用に録音されていたソースを作品化したものだ(このアルバムは輸入盤のみの発売)。

また、同時発売で、レゾナンス・レコードが過去に発表したビル・エヴァンスとウェス・モンゴメリーの人気作5タイトルが初めてSHM-CDで復刻される。

        

■作品情報

ビル・エヴァンス
『ポートレイツ・アット・ザ・ペントハウス:ライヴ・イン・シアトル』

〈収録曲〉
01. イントロ
02. ハウ・マイ・ハート・シングス
03. ラウンド・ミッドナイト
04. 降っても晴れても
05. ナーディス
06. エルザ
07. タイム・リメンバード
08. フー・キャン・アイ・ターン・トゥ
09. デトゥアー・アヘッド
10. 枯葉
11. ハウ・マイ・ハート・シングス
12. アイ・シュッド・ケア

〈パーソネル〉
ビル・エヴァンス(p)
エディ・ゴメス(b)
ジョー・ハント(ds)

★1966年5月12日、19日、シアトル、ペントハウスにてライヴ録音

   

ラサーン・ローランド・カーク
『ヴァイブレーションズ・イン・ザ・ヴィレッジ:ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ゲイト』

〈収録曲〉
01. ジャンプ・アップ・アンド・ダウン~ファスト
02. イクルージアスティックス
03. オール・ザ・シングス・ユー・アー
04. ローラ
05. カークズ・デライト
06. オーボエ・ブルース
07. ブルース・マイナー・アット・ザ・ゲイト
08. フォーリング・イン・ラヴ・ウィズ・ラヴ
09. スリー・フォー・ザ・フェスティヴァル

〈パーソネル〉
ラサーン・ローランド・カーク(ts, stritch, manzello, fl, vo, whistle, etc.)
ホレス・パーラン、メルヴィン・ライン、ジェーン・ゲッツ(p)
ヘンリー・グライムス(b)
ソニー・ブラウン(ds)

★1963年11月26日、27日、ニューヨーク、ヴィレッジ・ゲイトにてライヴ録音

    

レゾナンス・レコード名盤SHM-CD復刻


ヘッダー画像:Photo © Jean-Pierre Leloir